この冬おすすめのビジネス書は?ビジネス思想ランキングが発表されたから紹介するよ【2017年版】

最近、ビジネス書読んでますか?

ビジネス思想家ランキング

こんにちは、大手企業で経営企画を担当している大佐です。

「最近、ビジネス書籍を読んでいないな~」って思っている人は、これを見て年末年始に読む本を決めてみて下さい!

特に、読み応えたっぷりの理論や、その分野の古典とも言われる本を沢山紹介しています。

先日、イギリスのコンサルティング会社「Thinkers50」から、世界で最も影響のあるビジネス思想家ランキングが発表されました。今回は、このランキングを元にビジネス良書リストを作成しました。

forbesjapan.com

まず一覧を見てみましょう。

【ビジネス思想家ランキング】

1位 ロジャー・マーティン

2位 ドン・タプスコット

3位 クレイトン・クリステンセン

4位 W・チャン・キムレネ・モボルニュ

5位 マイケル・ポーター

6位 マーシャル・ゴールドスミス

7位 アレキサンダー・オスターワルダー、イブ・ピニュール

8位 アダム・グラント

9位 リチャード・ダベニー

10位 リタ・マグラス

・・・これ、氏名をパッと見ただけで分かります?(^_^;)

私は人物名だけではビジネス理論がすぐ思い浮かびませんでした(笑)マイケル・ポーターだけでした。

今回は、誰が何の理論を出しているのかと、オススメ本をまとめました!

おすすめビジネス書籍

1位:リーダーのための統合思考ガイド

Creating Great Choices: A Leader's Guide to Integrative Thinking

Creating Great Choices: A Leader’s Guide to Integrative Thinking

1位を獲ったロジャー・マーティンの書籍。

しょっぱなから英語オンリー本ですが、この本だけです。他はすべて日本語訳版がありますのでそちらを紹介します。

この1位の人の本は日本ではあまり有名ではないです(爆)

内容として、リーダーは毎日、難しい決断をするシーンに直面しますが、ただ選択するだけでなく、今手持ちのフレームワークを使って新たな選択肢を作り出していく手法論・思考論を書いています。具体的には、実行に入る前に幾つかのモデルを出して検証をしてみようというものです。特に仮説を一つだけ出すのではなく、反対のモデルも検討してみて、比較するという手法をとっています。

起業している若手社長や、大企業の経営者選抜試験に合格したエリート社員に対して読んでほしい1位の本です。普通にお仕事する「一般社員」が読むことはおすすめしません。日本語訳が徒労に終わるだけです。「俺はトップを目指すぞ!」という気概のある人だけ、手に取ってみて下さい。

「英語の本なんて読めない!日本語がいい!」という人は、同じ著者が書いたコチラの本を読むことをオススメします。

「頑張りすぎる人」が会社をダメにする

「頑張りすぎる人」が会社をダメにする―部下を無責任にしてしまう上司の法則―

「頑張りすぎる人」が会社をダメにする―部下を無責任にしてしまう上司の法則―

従来のリーダー論ってリーダーが「責任を取る人」、部下が「責任は取らないけど動く人」ですよね?それに真っ向から疑問を投げかけている本です。

責任質量保存の法則という法則を提唱していて、誰かが責任を過剰にとろうとすると、別のメンバーは責任を取らない方向に動く。逆もまたしかり。というオモシロイ理論です。

ただ付き従うだけの部下、命令するだけの上司・・・それを回避してちゃんと責任と権限を切り分けるための思考ツールが4つ書かれている。極めて実用的な本です。(無名本かもしれませんが・・・)

2位:ブロックチェーン・レボリューション

ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか

ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか

2位を獲ったドン・タプスコットの本です。

日本でも去年から今年にかけて有名になりましたね?ブロックチェーンの話を書いた本です。 細かいブロックチェーンの仕組みを知るというよりは、イデオロギー的な良さと悪さを理解しておくために読むことをおすすめします。

暗号通貨の利点/社会制度との関係性/ブロックチェーンの課題・デメリット/ブロックチェーンの将来・・・等について言及しています。まずは導入のために読んでみよう!というならここから読み始めてみて下さい。

3位:イノベーションのジレンマ

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

3位のクレイトン・クリステンセン。

これはもう超有名どころですね。イノベーションのジレンマ。特に大企業の経営者のバイブル的になっています。

2000年台以降、イノベーションが叫ばれて久しいですが、個人によって定義が異なるため、バラバラの話をしていますね。一度この本を読み合わせてみるのもいいかもしれません。

本書は、イノベーションを「破壊的イノベーション」と「継続的イノベーション」の2種類に分けて説明しているところが非常に分かりやすいです。前者は新しい市場の創造、後者は従来の製品・サービスのクオリティを高めること、という定義です。皆がイノベーションと言っているのは前者ですね。

大企業は破壊的イノベーションが苦手です。ここにどう資源をかけるかという意思決定プロセスが大事だと説いています。パワーショベルやDRAM等、実例を用いて書かれているため分かりやすいです。

これは古典なので、サラっと読むより、ゆるっと何回かにわけて読むことをおすすめします。

4位:ブルー・オーシャン戦略

4位のW・チャン・キムレネ・モボルニュ

まぁ、ブルー・オーシャン戦略を知らなかったら戦略・マーケティング担当としてはダメリーマンでしょう。それほど有名な本です。2005年前後に超有名になりましたね。

競争の激しい既存市場を「レッド・オーシャン(赤い海:血で血を洗う競争の激しい領域)」と定義し、一方で、競争のない未開拓市場である「ブルー・オーシャン(青い海:競合相手のいない領域)」を切り開くべきだと説いています。

そのためには、機能のうち、何かを「減らす」「取り除く」、その上で特定の機能を「増やす」ことによって、それまでなかった企業と顧客の両方に対する価値を向上させる「バリューイノベーション」が可能だとしています。更に、そのための具体的な分析ツールとして、「戦略キャンバス」を提案しています。

幾つか翻訳版がありますが、上記でAmazonにリンクしている本は、それだけでなく、新しい領域に進むときに必要な企業文化のあり方、リーダーシップのありかたも細かく翻訳してくれているため読みやすいです。

5位:競争戦略

〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

5位のマイケル・ポーターです。

この人は、本や理論ではなく、個人名の方が有名ですね。マイケル・ポーターと言えばファイブフォース分析やバリュー・チェーンといった、数多くのビジネスフレームワークを提唱した神様みたいな人です。MBA取得者、意識高い系のオジサンに大人気ですね。

マーケティングの基礎理論です。

ビジネスをやるにあたって、本当に基本的なことが書かれているため、読んでないという人はもう一度読んでもいいのではないでしょうか。

ITシステム担当者や、ブログを書いている人にもおすすめです。なんで上層部はこういうこと考えるんだ?サラリーマンってどんな考え方をしているんだろう?そんな疑問がすぐに解消されるはずです。

6位:「できる人」の法則

コーチングの神様が教える「できる人」の法則

コーチングの神様が教える「できる人」の法則

6位のマーシャル・ゴールドスミス。

コーチング分野の第一人者です。

コーチングって何でしょうか?

教えることって「ティーチング」と「コーチング」に分かれます。先生から生徒に教え、学ばせることを「ティーチング」と言います。一方、コーチングとは、基本的に「教える」ことはしません。その代わりに、「問いかけて聞く」という対話を通して、相手自身から様々な考え方や行動の選択肢を引き出します。自分で考えさせることによって、相手を自分自身のチカラで成長させるというのがコーチングです。

コーチングを学ぶと、相手の考えに沿ってこちらが考えられるようになります。コチラの本はカンタンにすぐ読めちゃう本です。「偉い奴はこんな思考法してるんだ、ふーん」と参考までに軽く読めてしまいますが、意外と実際のお仕事でも結構使えたりします。

7位:ビジネスモデル・ジェネレーション

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

7位のアレキサンダー・オスターワルダーとイブ・ピニュール。

名前だけ見て「誰だコイツらwww」とと思ってしまったのですが、私、この人たちの本持ってました(笑)というかメチャクチャ使ってました。

新規事業をゼロから作る時って、どんな風に考えればいいんでしょうか?イノベーションだとかマーケティングだとか偉そうなことを言っていますが、クチで言っても実際に作ることができないのが、大半の凡人です。

凡人が「事業」をゼロから考えられる設計図・白地図を用意してくれたのがこの二人です。ビジネスモデルの【理解】→【設計】→【実行】を一連の流れとして示してくれています。

本の大きさに戸惑います。日本的な大きさじゃないです。あと、読むだけでは全く意味がありません。実際に起業したいとか新規事業をやらないといけないという人にとっては必須本ですが、参考まで・・・というアタマでっかちの人は読まない方がいいです。

8位:GIVE & TAKE

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)

8位のアダム・グラント。

意識高い系の方が好きそうな言葉「与える人こそ成功する」というパワーワードで有名になった人です。ともあれ、書いてある内容は非常に示唆に富みます。

世の中の人は3種類に分かれます。

  1. ギバー(人に惜しみなく与える人)
  2. テイカー(自分の利益を優先させる人)
  3. マッチャー(損得バランスを考える人)

今まではテイカー(とにかく喋って人から奪う人)が昇進し、トップになり、世の繁栄を貪っていました。しかし、これからは違うのではないか?ということを、人間関係の検証データを元に、ギバーになりましょうと推奨してくる本です。奪われるだけの凡人にとっては、自分のギバー精神は間違っていないのではないと安堵させてくれます。しかし「あれ?俺、今マッチャ―じゃないか?」と常に自問自答し続けることが大切だと思います。

参考まで、アダム・グラントはもう一冊、有名本を著しています。

ORIGINALS

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 (単行本)

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 (単行本)

単なるギバーであってはいけません。個人の創造性を向上させる方法や、革新的なアイデアを他人に受け入れてもらう方法について書いています。

9位:脱コモディティ化の競争戦略

脱「コモディティ化」の競争戦略

脱「コモディティ化」の競争戦略

9位のリチャード・ダベニー。

日本ではあまり有名ではないです。1990年台に「過当競争(Hyper-competition)」という言葉を生み出して有名になった人です。この本では、企業がコモディティ化を競争優位に転換する方法を考察しています。価格を縦軸、顧客価値を横軸にとったグラフをモデルとして、「安物化の罠」「乱立の罠」「過熱の罠」というコモディティ化の3つの罠を示し、企業に警鐘を鳴らしています。

最近だとどちらかというとこちらの方が読まれやすいのではないでしょうか。

3Dプリンティング革命の衝撃

これは、会社の経営陣が考えておくべき、3Dプリンターをどうやって自社に応用しようか?という思考のたたき台になる書です。ITシステム担当の人は必読ですね。

10位:競争優位の終焉

競争優位の終焉 市場の変化に合わせて、戦略を動かし続ける

競争優位の終焉 市場の変化に合わせて、戦略を動かし続ける

10位のリタ・マグラス(マグレイスとも)

筆者は、顧客をちゃんと見直そうぜと説いているビジネス研究のオバチャンです。

この本では、競争優位性を「ある時点」で達成できたとしても、その瞬間から優位性は崩れ始めるため、今の時代には、競争優位性を確保し続けることは無理である。ということを主張しています。

そのためには破壊的イノベーションであったり、カスタマーセグメントやビジネスモデルを細分化した「局所戦」に転換するようすすめています。

言っていることはマトモである一方、まだまだ踏み切れて記述していただけていない点があります。しかし、東芝マクドナルド等、競争優位性が崩れ始めている大企業はたくさんあります。そういった大企業の方は一読が必須になるでしょう。

今回は以上です!

いかがでしたか?年末年始に1冊は読んでみましょう!