【保存版】決算情報をベースに「はてなブログ」のユーザー層を分析してみた

はてなブログは誰に向かって書けばいいのか考えてみた。

「はてな」の決算情報にはヒミツがいっぱい

「株式会社はてな」の決算は7月なので、決算発表が9月末なわけです。で、大企業の経営企画やってる私としては、一度は見ておこうと思って、はてなの決算説明会資料を読んでみました。そうしたら、意外と面白かったのでメモしておきます。

決算説明資料 – 株式会社はてな

※このページの数値・グラフはほぼ上記の決算説明資料の加工版です。

ぶっちゃけ私は数値屋ではないので、決算短信はあんまり見ていない(汗)のですが、「はてなユーザー数が伸びてまーす!」という情報がありました。

栗栖社長の決算発表動画も見ましたが、特段「はてなブログでXX名」等と言う形での内訳ではなく、はてなブログ+はてなブックマークを利用している総ユーザー数でした。

そういう意味でのはてなユーザーは「618万人」ということです。

2017年10月現在、Twitterが4,000万人、Facebookが2,700万人とすると、後発のSNSサービスの中ではトップクラスの数だと思います。

また、特記すべき事項として、「はてな」は売上高・営業利益ともに伸びており、イケイケの状況だということです。

※2018年追記:2018年では「はてなユーザー数は約670万人」と増加しています。

はてなのユーザー層を分析してみよう!

そこで、ふと、はてなのユーザー層ってどうなってるのか知りたい。そして実際、今の各ユーザー層の実数ってどのくらいの規模なんだろうか?という疑問がムクムクと私の中で頭をもたげてきました。

もちろん、この作業の目的は一つです。

ブログ記事を書くとき、誰に向けて書けばいいのだろう?

もっと言うと、何を書けば読んでもらいやすいかです。

はてなが出しているメディアガイド(広告を出したい会社向けにユーザー数や広告費用等の情報をまとめた提案資料)の2017年10-12月版が更新されていたため、ユーザー層の詳細について参考にしました。正確には「はてなユーザー数」なので、はてなブログとはてなブックマーク両方のユーザー数の合算値ですが、ほぼはてなブログのユーザーとしてまるっと認識してしまってもいいのではないかと思われます。

広告掲載・アドベリフィケーションサービスについて – 株式会社はてな

詳細を見ていきましょう。

↓ ↓ ↓ ↓ ↓

①男女比

TwitterやFacebookは男女比が約半々です。Instagramは女性が60%と女性比率が多いです。

そういう視点で見てみると、はてなは男性が多いという結論でいいでしょう。

念のため、同じブログサービスで比較しても結論は変わりませんでした。FC2やlivedoorブログも男女が6:4位の比率です。男女比=7:3のはてなは”かなり男性が多い”サービスなのではないでしょうか。

注意点として、この割合は「ユーザー数(書き手)」の割合なので「ブログの閲覧者数(読者)」とイコールで考えちゃていいの?という懸念はあります。しかし、はてなは「ユーザー」しか情報を出していないのでこの情報から判断するしかありません。おそらく、書き手と読者の層が近いのでしょうね。

②年齢構成

公式が言っている通り、はてなブログは30代が中心。これは確定的でしょう。「30代をターゲットにした転職ブログ」や「ガジェット記事」等がアクセスを集めやすいわけです。

一方で10代と50代の数が異常に少ない。これも大きな特徴だと思います。

FC2やlivedoorブログでは10代や50代以上が15~20%位あり、その代わり30~40代が20%程度となっています。それと比較すると「かなり層が違う」ことが分かります。ガキとオッサンがいない。

この差異は結構大きく、はてなブログにおいては、10代向けの「スマホ」「エンターテイメント」系等の記事を作っても、あまり響かなさそうだということです。同じように、50代向けの「熟年の恋愛」や「旅行」等の記事を当て込もうと思っても上手くいかないのではないかと考えられます。

③既婚・未婚

個人的に、これは意外と驚きでした。はてなブログってTwitterと連動して「結婚って良い/悪い」みたいな議論をしてることが多い印象なので「既婚者が過半数」だと思い込んでいたためです。

比較すべき他ブログやSNSのデータが無いので結論が出ないのですが、他のブログサービスは「未婚者がほとんど」なのではないかと思われます。10代が多く、結婚云々の記事は少なそうだからという個人的な印象値からですが。そういう意味では、はてなブログは既婚者の割合がやや多い、というのがはてなブログの特徴なのではないかと思います。「既婚者あるある」系の記事を書けば、一定数のPVは稼げるかもしれません。

参考として、総務省統計局のデータだと、就業人口の60%が既婚者らしいので、上記の認識でいいのかなと思います。

④職種

エンジニアが大半。

エンジニア、特にIT系エンジニア」と思われる層が比重を占めています。(次項のガジェット・IT系を好むという傾向からの想像です)

あと意外と多いのが「研究・開発職」。ここでいう研究職は機械系や食品系、色々な分野の研究をまるっと表現していますが、知識を重視する人間が多いということです。「レコメンタンク」等といった、研究に関係するブログが大人気になるのも頷けます。

主婦・主夫」は意外と少ない。もっといるもんだと思っていました。確かに主婦層ってFC2ブログやAmebaブログなんかを使っている印象があります。そうか、はてなブログは主婦層少なかったんだ・・・と理解を深めました。そして、私がたまに書いてる育児系のネタはユーザー的には微妙なのかと少し落胆。「ゆるりまあるく」とかは主婦層が読んでる気がするのですけどね。

私が所属する「経営企画」層はレアキャラのようです。といいつつも、618万人×4%=24万人なので、母集団としての実数は多いようです。経営企画やマーケティング部系の記事をバシバシ出して、本ブログはこのクラスタで1位になりたいですね。経営といえば「グローバル経営の極北」でしょう。

意外や意外で「財務・会計・経理」は少ない。「ゆとりずむ」とか「溝口公認会計士ブログ」とか「レポログ」とか読んでるクラスタはどこに所属してるんだ!?って感じ。

営業・販売」は多い。まぁこれは当たり前でしょう。総務省統計局のデータによると、総就業者の14%は販売関係職なので、理解できます。本当は、もうちょっと多くてもいいのではないかと思うくらいです。多分、営業なんかやってるリア充イケドン社員は、はてなブログなんかチマチマ見ないんだろうなぁと思います(偏見)。

⑤年収

ユーザーの世帯年収データを発表しているのははてなだけです。面白い。一言で言うと「高年収層」が多いです。そういう意味では、この「リーマンライフハック」もターゲットとしては間違ってなかった・・・とチョッピリ安心。

年収700万円以上の世帯年収層が20%以上いる。これはすごいことです。登録時には「ちょっと盛って」登録している人もいるだろうな、と思いつつも、相当高いレベルのユーザーがいるということです。しかし、最頻値に注目すると「世帯年収400~600万円」の層なので、一般的に言われている平均年収の層とほぼ合致するのではないかと思います。

ここから推察するに、高年収層に対して書いても、平均世帯に対して書いても、どっちでも多くのユーザーが読んでくれるということです。どっちでも大ハズレはないということ。それよりも、低年収層に対する記事を書いても読まれないという理解をしておいた方が正しいと思われます。「サラ金おすすめランキング」とか「メルカリで現金を増やす方法」とか書いてもあんまり刺さらないということですね。

⑥興味関心

これは読んでいて泣きそうになりました。

インターネット」と「ガジェット機器」が2大巨頭。

ITエンジニア層が過半のため、そりゃ確かに「ブログの書き方」とか「オススメのプロバイダ」とか「iphoneのスペック」とかそういう記事が乱立するわけです。そして、そういうカテゴリは私の得意分野ではない・・・(泣)

また「食べ物・料理」への興味が相当高い。これは「クロネコ師匠」も言う通り、雑記ブログとの相性が良いということじゃないかと思います。金も時間も使っちゃいますが。

仕事(就職・転職)」の興味も高い。これも特筆です。「20代~30代のキャリアを考えるブログ」等のPVが多いのも分かります。残念なのが、就職や転職は興味あるけど、肝心の仕事のクオリティを上げることにはあんまり興味がなさそうだということです。PV流入すごく少ないので。年収高いわりに、他者から仕事の仕方を学ぼうとは思ってない。自分で学べるからいーよ、と思ってるんでしょうか。

まとめ(はてなペルソナ)

はてなユーザーのペルソナ(代表的なユーザーイメージ)は、IT企業に勤める32歳の男性で、年収は550万円、彼女はいるけど未婚、興味があるのはITガジェットと食関係、たまに趣味の映画で気晴らしするけど、実は転職キャリアアップも考え中、といったイメージでしょうか。

こういうイメージ!!?

まぁ、ペルソナを作っても意味がいないのですが。こんな人がはてなブログ使ってる!と思いつつ記事を書けば、まずハズレはしないだろう、という像ができました。

以上、ご参考まで。

2018年8月追記

はてなブログのユーザー層を分析した「はてなメディアガイド」が更新されました。

はてなのIR情報も更新されています。

はてなブログのユーザー数も50万人ほど増加し、売上は堅調な様子ですが、将来のためにインフラ投資を1.7億円ほど投資したり、人材の獲得にお金を使ったりしているため経常利益ベースで見ると減っています。

チャレンジとしては「法人向けビジネスで稼いで行けるようにする」ということでしょうか。任天堂やカドカワのシステムを受託したり、ビッグデータ分析をはじめてみたり、結構新規事業はやり始めているようです。

ニッチそうなビジネスですが、システム監視サービスの「Mackerel(マカレル)」が好調のようです。

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